音楽の出会い、心の響き合い
「台湾国楽団との協演による雅楽国際交流公演」
台湾国楽団との協演による雅楽国際交流公演「音楽の出会い」が、9月11日、12日の両日、千葉市文化センター・アートホールにて開催されました。
2020年東京オリンピック記念公演として企画されながらも、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により延期を余儀なくされた、台湾国楽団と公益社団法人北之台雅楽アンサンブルとの音楽交流。6年の歳月を経て、待望の出会いが台湾との縁も深い、ここ千葉の地でついに実現しました。
初日の11日は、台湾国楽団による単独公演。約350名の観客が会場に集い、翌12日の協演公演には400名を超える聴衆が詰めかけ、会場は大きな期待と熱気に包まれました。
悠久の時を超えて結ばれる音楽
本公演のテーマは、東アジアの伝統音楽の源流をたどり、音楽を通じて文化の記憶と未来をつなぐことにありました。
中国の伝統楽器を礎として育まれてきた台湾の伝統音楽。そして、約千五百年前に中国大陸や朝鮮半島、ベトナムなどからさまざまな音楽文化を受容し、日本古来の音楽と融合させながら、平安時代にその大きな結実を見た雅楽。
時空を超えて、この二つの豊かな伝統音楽が一つの舞台に集い、互いの魅力を引き出しながら新たな音楽の世界を紡ぎました。
台湾国楽団の豊かな音楽性に魅了された初日
初日の開演に先立ち、台湾国楽団の呉定哲団長と、北之台雅楽アンサンブルの井口陽一郎理事長が主催者を代表して挨拶に立ち、本公演に込めた思いと開催の趣旨を述べました。
続いて、森英介衆議院議長(北之台雅楽アンサンブル特別顧問)、熊谷俊人千葉県知事、神谷俊一千葉市長から寄せられた祝電・祝辞が披露され、両国の音楽文化交流に寄せられる期待の大きさが示されました。
「四季の彩り」をテーマに掲げた台湾国楽団の演奏会では、台湾の四季をイメージした楽曲と、日本人に親しまれてきた唱歌を、国楽団独自の編曲と美しい映像によって交互に披露。聴衆を台湾と日本の美しい四季へと誘いました。
会場全体で「紅葉」を合唱する場面では、舞台と客席が一つとなり、温かな一体感に包まれました。
豊かな感性と高い音楽性を備えた許瀞心氏による指揮のもと、国楽団の卓越した演奏は聴衆を深く魅了した。惜しみない拍手が鳴り響く中、アンコールでは、テレサ・テンの名曲「月亮代表我的心(月は私の心を表す)」が演奏されました。心に染み入る美しい旋律に、会場からはひときわ大きな拍手が送られ、感動の余韻はいつまでも続きました。
音楽の対話が生み出した新たな響き ― 2日目の協演
12日は、いよいよ両楽団による協演公演。台北駐日経済文化代表処からは、周学佑副代表ご夫妻がご臨席。
第一部では、両国の伝統楽器の魅力に迫る楽器紹介を実施。打楽器、絃楽器、管楽器をそれぞれ実演し、楽器の構造や音色、表現方法の違いを際立たせながら、双方の音楽文化の特色を紹介しました。
続いて、雅楽の管絃曲である「越殿楽」「陪臚」「五常楽急」を、台湾国楽団による編曲を交えながら両楽団で合奏。異なる伝統を受け継ぐ楽器と音楽が、互いの個性を尊重しつつ一つの響きへと溶け合っていく様子は、まさに音楽による対話そのものでありました。
第二部では、北之台雅楽アンサンブルが舞楽「春庭花」と、右舞「抜頭」を披露。
特別出演として、元宮内庁楽部首席楽長の安齋省吾先生による龍笛、重要無形文化財保持者の大窪貞夫先生による笙、そして同じく重要無形文化財保持者の久恒壮太郎先生による舞が加わり、舞台はひときわ荘厳な空気に包まれました。長い伝統に培われた雅楽の響きと舞の美しさは、観客の心を捉えて離しませんでした。
未来へとつながる、かけがえのない音楽交流
日台の友好の絆は、今回の協演を通じてさらに深く、強く育まれました。両国の音楽文化が織りなしたこの素晴らしい舞台は、まさに心と心が響き合う、かけがえのない音楽の饗宴となりました。この感動と友情を未来へと受け継ぎ、これからも音楽を通じた国際交流の歩みを大切に重ねていく所存です。